yumi-fields

日々感じること。心のままに。 私の病気の事、仕事やプライベート、心の中の事をありのままに。

お義母さんへ



今日治療中にね『 由美さん、どうしたの?』って姑が急に話しかけてきて。もうびっくりした。
今朝、きっと私の事を義母はふと思い出したんだな。
それで、その思いが私にポコッと届いたんだと思う。
『 由美さん、病気なん?何してるの?』って。



義母はね、今年82歳になります。
あっ生きてます(笑)めちゃめちゃ元気です!
ただ数年前から痴呆が始まり、去年認定を受け、今は週3回デイサービスに通っています。
通いだしてから、元気を取り戻し、毎日楽しそうに生活してるとの事。嬉しい限りです。



昨年、私の実母が亡くなった時も、私が手術をした時も、義母の言動や行動に、あれ?おかしいなと言う事が目立ち始めました。
痴呆症の典型的な症状が出始めて一年が経ちます。
色んな事が重なる時は重なるものです。



義母は早くに未亡人になり、当時まだ小学生だった息子達2人を女手一つで育てた人です。
最近まで呉服の仕事をしていたので、着物の事は全て義母に教わりました。何か催しやパーティがある時は、必ず私の着付けをしてくれました。



これまでは、義母のネイルをしてあげる時間が、私と2人でゆっくり話が出来る時間でした。
その時間に、義母は私に一生懸命話をしてくれました。
呉服の事。息子達の事。自分の人生の事。
同じ話を100回以上は聞いたなと思いながら、私もふんふんそれで?と聞くのです。



話の内容よりも楽しそうな義母を見るのが嬉しかった。
誕生日も母の日も、何かあれば食事に誘い、プレゼントするのも私が嬉しかったから。それなのに。
それなのに…
ある日、義母の話が変だなと気付くのです。



『 私はあんたに何にもしてもらった事がない。』
思わず、えっ?て聞き返しました。
そんな事今まで言った事なかったのに。
急に私に攻撃的な事を言い出すようになりました。
私も気分が良いわけない。充分ではなかったかもしれないけどね。普通の家庭より、楽しくイベントもしてたと思うよ。



お義母さん、私の事いつも褒めてくれてたやん!
由美さんがお嫁に来てくれて、本当に良かったって言ってくれてたやん?
娘が出来て嬉しい。この着物は全部あげるからねって、嬉しそうにしてたやん。
何でそんな悲しい事を言うの?




私ね、滅茶苦茶に落ち込んだんです。
今から思えば、アルツハイマーの病状なんだけど、当時はそれが分からず、真に受けてしまった。
実母の事。自分の病気の事。いっぱいいっぱいだった。



毎日、早朝から携帯が鳴るようになって。
電話に出たら『 電話くれた? 』『 ううん、今日はしてないよ。』の繰り返し。
仕事中出れなかったら、凄い着信数(笑)
もう出ないで良いかなと思いながら、いやもし何かあっての電話だったら困るからと、その度に出る。の繰り返し。



お義母さんが壊れていく。
うちのパートナーが可哀想だなと思った。
自分の親がそうなった時の心境って、悲しいじゃすまない。ある日、うちのパートナーが私に言ってくれた。
『 由美、もうな電話出なくていい。由美は自分の体の事だけ考えて欲しいねん。親の事は僕と弟でするから、大丈夫。もうな、母親の事は宇宙人やと思う事にする!』(笑)



それで電話もしなくなって。自分の中でずっと思う事。
お義母さんを、見捨てたんじゃない。
待っててね、お義母さん。私が元気になるまで。
今ね、ちょっと心の余裕がなくてごめんなさい。
私の病気の事も、もし伝えたらお義母さんが大変な事になるから、黙ってるのよ。



私ね、お義母さん、好きよ。
尊敬してるねんよ。リスペクト以外に何がある?
30代で夫を亡くし、女手一つで息子2人育てて。
私ね、まだお嫁に来て、親孝行出来てないねんよ。
お義母さんとまた着物でお出かけしたいの。
私まだ1人で着物着れないよ!
着付け教えてくれるって約束したよね?


私の事が分からなくなる前に。
必ず私、元気になるから。
ちゃんと元気で待ってて欲しい。



今朝ね、私の事を急に思い出したでしょう?
私わかったよ。あっ、お義母さん、私の事思い出してるってちゃんと分かったよ。
元気な顔で、会いに行くから待っててね。
お義母さんの好きな和菓子持ってくから。



それまで私の事、ちゃんと覚えてて欲しい。