隆真へ 🎶
今日は待ちに待った定期演奏会♫の日。
中学一年生の隆真。初めての経験ね。
朝7:30に行ってきますと元気に家を出る。
今日は学校は公休で、授業には出ない。
朝から演奏会の準備だと張り切ってた。
今日は母も奮発して豪華弁当にしようと思ってたのに、お弁当が出るんだとか。
あら残念…と言いながら、途中お腹が空いた時の為に、さっと食べれる大きなおにぎりを持たす。
『 ママ、今日は何時頃にくる?』
何回も何回も私に確認する(笑)
演奏会に来て欲しいとかさ、いつまでそんな事言ってくれるかな?(笑)
演奏会は市のホールで夕方からの開演。
隆真の出番は4曲。
ものすごく良かったよ。ちゃんとできてた!(笑)
あんなに素敵で、音響も最高のホールでの演奏。
あなたもきっと気持ちよかったよね。
母は演奏が始まって、なんだか込み上げるものがあって、涙が出て止まりませんでした。
大きくなったなぁって。
この前までランドセルだった気がするのに。
あんな素敵なステージで、大勢の中の一員として大きなチューバを演奏しているあなたを見てね、母はホッとしたの。大丈夫だなって。
とてもとても感動しました。
そしたらなんだかもう……(笑)涙がポロポロ。
……生きてて良かった。
観客席でね、心から思ったのよ。
入学式の日も、この演奏会も、私は見れないかもしれないと思っていたから。
こんなにも嬉しい気持ちを、こんなにも感動する心を、神さまは私に下さった。
あなたが毎日、笑顔で元気で学校に通い、部活を楽しんでる。
これ以上に何を望もう。
母はとても幸せです。
隆真、ありがとう。
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隆真。入学してすぐに吹奏楽がしたいと言ったよね。
入学式の日、吹奏楽部の生演奏が講堂内に響き渡ってた。『 威武堂々 』が、今も耳に残る。
そらそうよね。あれを見たら、吹奏楽部に入りたいって思うよね(笑)
そしてあなたは迷わず、吹奏楽部に入部した。
『 隆真な、チューバになった。』
ある日、担当楽器が決まったとの事。
母は最初、それがどんな楽器か分からなかったのよ。
一年生のあなたに与えられたのは、サビサビの古いチューバだった。
きっと何十年も前のものだと思う。
青サビが出て、どう見てもピカピカの綺麗なものではなく、磨かないと使えないものだった。
隆真。よく頑張ったね。
母はそれを知った時、あなたがどうするかなぁと思ってたの。
自分のだけ、サビサビでカッコ悪いねんとあなたは言った。
変色して汚くて恥ずかしいと。
『 年季が入ってる楽器って事やん!遠くからでもすぐに隆真ってわかる。サビサビやと目立って良いやん!』
母は笑いながらそう言ったけど。
本当はね、あなたの心境がわかるから、母も言いながら心がチクリとしたんだよ。
でもそれを今日まで、あなたは大切に使わせてもらったよね。
うんうん、ピカピカのステージでよく目立ってたよ(笑)
でも母はそんなあなたをずっと見ていて、誇らしかったし嬉しかった。
ところで、余談だけど(笑)
毎日家でブゥブゥ練習している隆真にさ
『 チューバってさ、ボタン3つしかないやん?ドレミファソラシドってあるん?』
って、真顔で聞く母に、あなたは呆れて
「 あるん?て?もう〜〜何言うてんの?あるわ!当たり前やん! 」
さすがに無知な母に、真剣に怒ってたよね(笑)
「 それにボタンちゃうくて、ピストンやし!3つちゃうくて4つやし!」
たまにね、思い出し笑いするんやよ(笑)
この一年、楽しい会話や思い出がいっぱい出来た。
高校3年生まで、6年間のクラブ活動。
毎年この時期にある定期演奏会。
まだ後5回ある。母は全部見たいのです。
毎年成長していくあなたの演奏を聴きたい。
雲の上からじゃなくて(笑)観客席に座って聴きたいのです。
こんなにも。
こんなにも幸せな気持ちを、全部最後まで味わいたい。
だから、母は明日からも頑張って笑顔で生きるから。
必ずあなたの成長を見届けます。
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