キッチンにて…
ただいまキッチンにて、大量の野菜の下ごしらえ中。
ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、オクラを茹でて。
トマトの綺麗なのがたくさんあったので、箱買い(笑)
トマトソースのベースにしておこう。
すじ肉の良いのがあったので、それも茹でて冷凍。
お肉も小分けにして、料理別にカットして冷凍。
そやの。私もね、やれば出来る子!(笑)
キッチンでユーミンを聴きながら。鼻歌を歌いながら。
黙々とひとりで料理をしていたらね。
なんだか涙がこみ上げて来て(笑)
ちょっと休憩。コーヒーいれよう。
亡き母は料理が得意だった。何でも手作りしていた。
いつも思う。もっと教えてもらえばよかった。
素直にね、教えてって言えば良かった。
私はどうしてもそれが言えなかった。
いつもね、ブロッコリーを茹でてる時に。
耳元で母の声がするの。
『 今日はブロッコリーが上手にゆがけたから幸せ。嬉しいな。良い日だわ。』
母はいつもそうだった。
どんな時もこんな事を言ってる人だった。
ベランダからの母の声もね、今でもずっと心に残ってるもの。
『 由美、見て。芽が出たわ。新芽。可愛いわ。』
『 由美、ちょっと来て。夕陽が綺麗。』
普段の何でもない事。
他愛のないことの中に、本当の幸せがあると言った。
ママ、私もそうだと思ってる。
これまでも。これからも。
私はね、ママのその幸せを、私なりに守りたかったの。
その感覚が大好きだったから。守りたかった。
一緒になって、そんなん言うてたら泣いてしまうから。
だからあの時は、いつも私は仕事を頑張ってたのよ。
アルションブルーの紅茶を入れた時の、ママの笑顔も。
ベランダで鼻歌を静かに歌ってる後ろ姿とかね。
毎日それを守りたかったから、振り返らずに仕事した。
ママは私を傲慢だといつも言った。
何にも分かってないと。
先の大きな成功ばかり見てると。
幸せは、常に今、ここ、だと言った。
それを感じれずに、分からずして、先の幸せはないと。
あのねママ、私はずっとずっと分かってた。
私もね、守ってもらいたかった。
毎日お花の水やりして、夕陽を眺めてたかった。
でもね、人には、その人の立ち位置みたいなものがあるんよ。
だから、あの時はそれが出来なかっただけ。
最近ね、何でもない会話とか、他愛のない事を話してる時、ホッとする。
私にもちゃんと、そんな部分あって良かったって思う。
お酒を飲まなくなったら、飲めなくなるのと同じでね、
そんな感情もね、ずっと抑えて出さずにいたら、もう出せなくなるのよ。
『 今日はブロッコリーが上手に茹でれた。幸せ。』
その言葉も、その声も、私は忘れた事はない。
いつもキッチンに立つと思い出す事。
他愛のない毎日と、ありふれた日々への感謝。
そして、愛する人へ。
私を私のまま、これからもいれますように…。
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