yumi-fields

日々感じること。心のままに。 私の病気の事、仕事やプライベート、心の中の事をありのままに。

母の形見

 

f:id:yumi-fields:20180716232802j:image

 

 

先日ちょっと探し物をしていて。

パタパタと古いタンスをあちこち開けてみていたの。

まだ片付けていない、母の物がどっさり入ったタンスの

中をあれこれ探していたら、ある引き出しの中からね、

母のデザイナー時代のデッサンノートが沢山出てきた。

 

 

 

亡き母は服飾のデザイナーで、独身の時はきっと最高に

輝いていたのだと思う。

パラパラと日記帳を読んでいたら、母がどんな思いで

日々過ごしてかがとてもわかる。

きっとイキイキとオールドミスをしていたに違いない。

 

 

 

写真の母は、バリバリ仕事をしてたであろう時期。

そして、大学生の父と、大恋愛をしていた時期の写真。

 

 

父と出会い、年下の大学生と恋に落ちてそのまま結婚。

そして、結婚後に独立。その後私が産まれる。

その頃のデッサンや日記も沢山出てきた。

探し物そっちのけで、私は床にぺたんと座り込んで

何時間も母のデッサンを見ていた。

時折、そこには母の思いが書き込まれていた。

 

 

 

【 由美 8ヶ月。おくるみ 】

優しい字で書かれたメモ。

私は小さい頃から、そんな母の手作りの服ばかりを着て

いた。過去記事で少し書いた事があるのだけれどね、

私はそれが嫌で嫌で(笑)考えてみればとても贅沢な話

なんだけど、当時はそれがどうしても嫌で。

皆んなと同じものが欲しかったからね。

 

 

でもね、デッサンに書かれた母の思いを先日見たとき、

あぁ母は私を愛してくれてたのねって心から分かった。

どうして、いつも後になってからわかるんだろうって。

 

 

【 由美 1歳3ヶ月 よちよち歩きが愛おしい。】

【 この子は向日葵のような子。胸のアップリケは

向日葵にしよう。】

まだまだある。時折涙で滲んでしまったのだけどね。

一枚一枚そのデッサン帳を見ながら。

母の思いも感じながら。ゆっくり見てたの。

 

 

母の遺してくれた、このノート。

これぞ【 母の形見 】だわって。

高価な物ではないけれど、本来ね、こんなものが一番の

形見なんだわって思いながら。

宝石屋をしていてこんなん言うのもなんだけど(笑) 

 

 

ずっと読んでたら、私が物心ついた時期の日記は悲惨だった(笑)

【今日も帰って来ない。あの子は何を考えてるんだ。】

 

【 何を話しても、どれだけ話しても。由美とは分かり

合えない事が今わかった。】

 

【 どうして由美はしんどい選択ばかりするんだろう。

若い時の苦労は買ってでもしろと言うが、しないでいい

苦労だってたくさんある。由美はどうしてしなくていい

苦労を率先してするんだろう。】

 

 

どれくらいの時間、そこに座り込んで読んでただろう。

母のその当時の気持ちもね、本当によく分かった。

私の洋服のデッサンや、型紙も全てそこにあった。

 

産まれた時からの、何十年もの歴史。

 

何十年もの、母の言葉。