隆真へ
「あの人へラブレター」
愛する我が子。12歳の隆真へ。
母からのラブレター。
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隆真 ❤︎
改まって書くのもあれだけど(笑)
ずっと子供だと思っていたあなたが、いつのまにか背丈も私と同じになって。
少年から、やがて青年になって行くあなたに。
今日は母からのラブレターです。
12年前に母のお腹にあなたが宿った時、母は独立して会社を立ち上げたばかりだった。
今だから言うけど。
6ヶ月目に入った時、会社のイベントでお客様をご招待して【 タイ 】に行ったんだけどね。
あの時、妊婦なのを隠して(笑)飛行機に乗ったの。
お客様30名をお連れした旅行。かなりアクティブで。
母はどんな時も仕事を優先にしてきた。
あの時はごめんね。
無事にお腹にいてくれて、本当にありがとう。
日に日に大きくなるお腹をさすりながら、臨月まで仕事してた(笑)
毎日高速に乗って、遠方まで出掛けてね。
ハンドルがお腹がつかえるようになって、運転し難くて。
最後は、代行してもらってまで(笑)
無事に産まれてからもね、産休ひと月で仕事に戻った。
あの頃は毎日仕事が終わったらね、母親ボタンを押したように、お乳が張った。
母乳の張るその感覚がね、今でも感覚として残ってる。
おかしいね(笑)
お腹空いてるだろうなぁ。何してるかなぁ。
考えるだけで心がきゅぅっとなった。
帰り道の信号待ちが、もどかしかった。
玄関の前で、私が家の鍵を出す音。
中に居るあなたに聞こえるんだろうね。
玄関に向かって、一目散にハイハイして来るのがドア越しでも気配でわかった。
ハイハイから伝え歩き。
そして歩けるようになり、走って来る足音。
母はね。それが今でも耳に残っているの。
とても、とても幸せな音だから。
人生において、あんなにかけがえのない、
素晴らしい時間を神様は下さった。
べったりと一緒には居られなかったけど、だからこそ、
あの頃、小さな幸せが母にはたくさんあったのよ。
あなたをね、出来るならばこの先ずっと抱きしめて、膝の上に乗せてたい。
世の中の辛い事、嫌な事。
乗り越えて行かねばならない事。
できれば全部私が受けるから、あなたを守りたい。
だけど、そんな訳にもいかないからね。
母の役目は、あなたを自立させる事。
ひとり立ちして、自分で生きて行けるようにする事。
私は病気をして、本当にそれを実感したの。
可愛いからこそ。大切だからこそ。
心を鬼にする事がある。
最近ねあなたの成長を見ていて、不思議だなぁと思う。
あんなに小さかった子が。いつのまにか。
確かに私の中にいて、私から出てきた子が。
気がついたらこんなに大きくなっていて。
私を呼ぶ声のトーンが低くなって。
風邪が長引いてると思ってたら、声変わりだったのね。
ちょっと待ってと思う位に、早い スピードで大人になってくね。
『 ママが楽しそうにしてるのが、一番嬉しい。』
いつもそう言ってくれる。
たまに2人でデートする時、あなたの小さな心遣いがとても嬉しい。
仕事無理しないでね。元気で居ててね。って。
大丈夫。あなたが独り立ちするまでは、必ず。
将来の事も大事。でもね、隆真。
人は、今、ここ、にしか生きられない。
だから、常に『 今 』を、大切に生きてね。
それから、夢や希望、それを自ら制限しない事。
心だけは常に自由なの。誰にも制限されない。
自分を取り巻く環境は常に変動する。
だからそれに惑わされない事。
まずは心ありき。
どんな状況にもゆるがない心を鍛えなさい。
人生は何が起こるかわからない。
長いようで短いのかもしれない。
でも、焦らなくていい。ゆっくり自分のペースでいい。
要領なんて良くなくていいからね。
常に自分自身に問いかけながら、生きていって欲しい。
何かに迷ったら、損得ではなく、心ある方、
愛のある方を選びなさい。
母より
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