思い出話
今日はちょっと思い出話……。
他人の『 大変!』は、当てにならない(笑)
というよりね、私の大変とは違うんだなぁとしみじみ思う時がある。
まぁ大変の種類にもよるのだけどね。
なんでも真に受けると、えらい目にあうと言う話。
……若かりし頃。こんな事があった。
私が借金を返すのに朝昼晩と頑張ってた頃、その頃親しくしていた友人からお金を貸してくれないかと言われた。30万円。
その彼女は私が詐欺にあって大変な思いをしてる事は言ってなかったから、知らなかったと思う。
ちょうど今頃の季節。二十代の終わりだった。
私もその頃は余裕なんて全く無いし、それこそ毎月毎月が精一杯だった。
それなのに私、一生懸命頼んでくるその彼女にかき集めて貸したの。
どんな理由だったか思い出せないけどね、誰にも頼めないって、とても困ってて。
わかった。なんとかするわねって(笑)私バカだから。
貯金なんて無かったし、どうやって工面したかなんて、もう忘れたけどね(笑)
とにかく、次の月末には返してくれるって言うしね。
毎月の返済を差し引いても、その月は少し余裕があった。
たまたま歩合の多い月だった。一生懸命働いたお金。
自分も詐欺にあって大変な思いをしたから、悩んでる彼女をほっとけなかった。
お金が大変な感じってね、肌身に染みて分かってたから、スルー出来なかったんよね。
後日。その彼女は『 ありがとう…ありがとう!』と、とても喜んだ。
これで何とかなるって。とても喜んでくれた。
私は、良かったって自分の事のように嬉しかった。
そして私は当分の間、超がつく節約生活をした。
それこそこの時期は贅沢なんて出来なかったししてないのだけどね、朝から深夜まで仕事してたから、なかなか自炊もできなかった。
でも流石にその時は、外食はせずになるべく家であるものを食べた。
カップラーメンとか半額のお惣菜とか(笑)
お昼はざる蕎麦だけか、コンビニのお弁当で何日も過ごした。
そして……はたまた後日……。
私は仕事で空港にいた。
あるお客様を到着ロビーで待っていた。
バカンスから帰国されるお客様のお迎えの為に。
そしたら。そしたらなんと!
その彼女が到着ロビーから出てきた。
同じ飛行機に乗っていたのだ!
お友達数人と楽しそうに話をしながら、お土産いっぱいのカートを押して出てきた!
当分昼の仕事の他に、夜もバイトしたり大変なはずの彼女が……一瞬目を疑った。
私ね、その時咄嗟に柱の影に隠れたの(笑)
いや。なんで私が隠れる必要があるんよ!(笑)
でも。見てはいけないものを見てしまった感じがして。
考えてみたら、隠れたい気持ちになるのはその彼女の方なのにね。
彼女は悪びれもせず、後日お金を返しに来た。
そらそうよね、旅行に行ってたなんて私にバレてると思わないものね。
期限はとうに過ぎてたし、しかも分割だったけれど、なんとか数ヶ月に分けて返済はされた。
でも私はもう、彼女の言葉は信じる事が出来なくなっていた。
私はあの時、彼女の話を長々と聞き、心情を察して、何とかしてあげたいと思った。
自分だって大変な時期だったのに、彼女の言葉を何の疑いもなくウンウンと聞いて、全て真に受けた。
それなのに…その貸したお金かどうかは知らないけど、海外旅行に行ってたなんてね。
それって許される事なんか?!
私は毎日、ワンコインで過ごしてたのによ(笑)
あの時ギリギリの生活をしてたのに、この期に及んでまたお金を貸すとかね。
学習能力なさすぎて本当に泣ける(笑)
自分の事もちゃんと出来てない人間が、他所様の心配なんてしてる場合では無いのにね。
𓆝𓆟𓆜𓆞𓆡𓆝𓆟𓆜𓆞𓆡𓆝𓆟𓆜𓆞𓆡
私は本当にダメだなぁと思う。
今思い出しても馬鹿だなぁと思う事が多々ある。
穴があったら入りたい気持ちになる。
ただ、あの時期に起こった出来事はかなり勉強になった。
あの時私が断ったら、また別の誰かに借金の申し出をしていただけだったろう。
私にしか頼めなかったのは、私を信頼してではなく、貸してくれそうなタイプでどうでもいい距離の友人だったからだ。
彼女にとって私は、たかがそれくらいの存在に過ぎなかったって事。
それからだいぶ経って、ある方に言われた言葉が忘れられない。
『 あなたが人の事を思うほどには、人はあなたの事は思ってない。だからそこまで人の心配をする必要はない。あなたが思い悩むくらい考えてあげてても、その人はそんな事をあなたに話したのも忘れてるかもしれない。そんなもんよ。特に借金の申し出をして来る人は、その人にとってあなたはどうでも良い人だったのよ。』
厳しい言葉だったけど。
私は常にこれくらい思って心して生きなければと思う。
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