yumi-fields

日々感じること。心のままに。 私の病気の事、仕事やプライベート、心の中の事をありのままに。

春の歌




今日の昼間は、祖母の時間にした。
父の病院に行きたいと。顔が見たいのだと。
…お婆ちゃん。私、今めっちゃ忙しいねんよ(笑)
どうしても行きたいの? そっか。会いたいのか(笑)



私は自分の性格を呪う(笑)
お願いされると、絶対に嫌と言えない。
どうにかしてしまう。
今日、予定を変更して下さった皆様…ごめんなさい。
ありがとうございます。



病院へ向かう車中、FMから【 春の歌 】が流れる。
私も一緒に口ずさむ。あれ?これはカバーだな。
スピッツじゃなかったっけ?
大好きな歌。…春の歌 。


春の歌 愛と希望より前に響く
聞こえるか? 遠い空に映る君にも……

春の歌 愛も希望もつくりはじめる
遮るな 何処までも続くこの道を……




後部座席にちょこんと座った祖母をミラー越しに見る。
祖母は黙って、ずっと窓の外を見ている。
もうすぐ愛しい人に会える〜みたいな顔してる(笑)
あかんねんよ。そんな顔見たら可哀想になってしまう。



実は私の父。舌癌です。この春、再発しました。
2年前、私のすぐ後に父も手術をしていました。
だからそれもあって祖母は田舎に帰らなかったのです。
いや、きっと帰れなかったのです。



再発はある程度は予想していたので、大丈夫です。
早期だしね。先週手術も無事に済んだ。うん大丈夫。
…生きてると、本当に色んな事があるね。
試練とかねそんなんじゃなくてね、何やろね。



病院の表玄関に、車椅子を持って父が待っていた。
祖母が一番に見つけて『 あぁ…〇〇や。良かった。 』
小さな涙交じりの声で。父の名前を呼ぶ。



とてもとても優しい声で、父の名前を呼ぶ。
無条件の愛情がこもった、母親の声だった。
その声が悲しいくらいに優し過ぎて…。
もうお婆ちゃん、どこからそんな声出してるんよ(笑)
一週間ぶりなだけでしょ。大袈裟やねぇ〜



何でやろ。何で私が泣いてるんだろ。
よく分からない涙がこみ上げる。
「 先に病室に上がってて。車停めて来るから。」
そして駐車場でひとしきり泣く。何の涙が分からない。



悲しいとか、そんなんじゃない。
ただ、泣きたかったんだと思う。
桜が満開で。とても綺麗で。父も祖母も嬉しそうで。



いつもはね、私は笑い飛ばすんやよ。
そんな事、大したことない!大丈夫!って。
ほんまにそうやしね(笑)
ただね、たまに。わぁ〜って泣きたくなる。




病院からの帰り道。
万博の桜が満開で。吸い込まれそうで。
『 お婆ちゃん、桜が満開。お花見して帰ろうね。』
クルクルとドライブして、祖母に桜を見せる。
大阪の桜も綺麗でしょ?って。
桜並木を選んで、少し遠回りをして帰る。





春風 木漏れ日 さくら舞い散る道
いくつもの出会いと別れ
握りしめて歩こう
遥か遠くに住む 君に届くように
さぁ風に乗って響け この春の歌


あぁ……私はこっちの【 春の歌 】の方が好きかなぁ。
FMからは桜の季節の歌ばかり。



何を思っていても、どんな状態でも、いつもの春。
毎年口ずさむ【 春の歌 】
色んな気持ちで口ずさむ【 春の歌 】
来年も。再来年も……。