時を待つ
『 由美は本当に待てない人よな。どんな事にもな、時間てある程度かかるねん。だからな、ジタバタせんと
【 時を待つ 】ってさ、これ大事やねんよ。』
今日、空を見上げながら思い出してたのね。
昔から、私がパートナーによく言われた言葉。
『 由美はいつも直ぐに答えが欲しいんよな。』
これもよく言われた言葉。そうかもね。
直ぐに答えが欲しい。反応が欲しい。そうだよね。
うん、ほんと。そうかもしれないね。
隆ちゃんてさ、説明とかすごく上手いやん？
いつも感心して聞いてるんやけどね。いやホンマに。
『 時を待つ 』という事を、本当の意味で教えて貰ったと思ってるよ。
ねぇ、隆ちゃん。私ね最近思うのよ。
私達夫婦ってさ、あまりにも違うやん？（笑）
たまにね思うの。よく15年も一緒に居てるよなって。
性格も趣味も違う。何で一緒に居るんだろうって（笑）
これまでに何回も挫けたもん。
私ね、子供の一人や二人、どないしてでも食べさす自信あるんよ。15年も何や言いながら食べてきてんから。
もうその方が楽かもしれないって。何度も思ったんよ。
でもその度に、スレスレの所で思い直してやってきた。
何て言うたら良いのかなぁ。
二人で手漕ぎボートに乗っててね、ボートに穴が空いて水が入ってきて、もう沈没しそうで。
でもその水を私はせっせとバケツですくっては出してるのに、そんな事は我関せずの顔して。
貴方はいつも遠くを見ながら言うのよ。
『 由美見て！ 僕、あそこに行きたいねん。めっちゃ楽しそうやと思わん？ 絶対あそこは楽しいで！』
いや待って。見てこれ。そんなん言うてんと、今このボートの水、何とかせなあかんでしょ？
あなたは、私達の現状を分かってる？見えてる？
何度も何度も何度も、私はあなたの顔を覗き込みながら思ったんよね。
この人、私じゃなかったらとっくに沈没してるから！
でもね、何とかしてきた。それがパートナーやねんよ。
もう何回も乗り越えてくるとね、マヒするねんよ（笑）
だから私達、一緒に居てるんやろね。
隆ちゃん、私ね、確信してるんやよ。
あなたは必ず、思い通りの人生を手に入れる。って。
最近ね、あなたの顔が、眼が変わったなって。
没頭出来る事、見つかって良かったね。私ホッとした。
『 由美、もう少し待っててな。もう少しやから。』
うんうん、分かってるよ。
寝る間も惜しんで、目をキラキラさせてるのを見てるだけで、私は幸せなんよ。今更綺麗事言うてるん違うよ。
『 でも隆ちゃん。私もう15年も待ってる。』（笑）
私、待ってたん違うよね（笑）諦めが悪いんやよ。
でももうそろそろ、早よして！って言うてもいいんちゃうやろかと思ってるけど（爆笑）どやろ？
私が時折いつも読み返す、松下さんの言葉です。
【 松下幸之助の名言 】
悪い時が過ぎれば、よい時は必ず来る。おしなべて、事を成す人は、必ず時の来るのを待つ。あせらずあわてず、静かに時の来るを待つ。時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。だが何もせずに待つ事は僥倖を待つに等しい。静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力を蓄えている。たくわえられた力がなければ、時が来ても事は成就しないであろう。
